TV電波障害調査

テレビ電波受信障害調査や机上検討を行うにあたっては、一定の精度を保つため、(一社)日本CATV技術協会の加盟各社における調査内容や障害範囲等の技術精度を標準化するため、同法人調査部会から技術指導を受けることが義務付けられています。
また「テレビ受信障害調査報告書」には、(一社)日本CATV技術協会認定の「CATV総合監理技術者」・「第1級CATV技術者」の作成が義務付けられています。
トーエーシステムには「CATV総合監理技術者」が在籍しており、安心してお任せいただけます。


建造物の建築に伴い、地上デジタル放送テレビ電波受信障害調査が欠かせません。

地上デジタル放送でもテレビ電波受信障害は発生します。地上デジタル放送のテレビ受信障害は、受信電界強度の強い地域ではアナログ放送に比べて大幅に減少しますが、送信所から遠方の中弱電界強度の地域ではアナログ放送と同規模の障害が発生する場合があります。

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デジタル放送の受信障害では、画面にブロックノイズが入ったり、フリーズ、受信不能となるなどアナログ放送と比べて誰の目にも障害が分かります。事前にどの地域で障害発生に可能性があるかの事前調査等、十分な配慮が必要になります。

また、机上検討図は、調査対象範囲を示したもので、障害範囲の予測範囲を決定するには現地調査が必要です。

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机上検討図と事前調査後の予測範囲には、差異が生じます。しゃへい障害の距離が2〜3倍、場所によっては4〜5倍に大きく(長く)なったり、逆に半分から三分の一程度に小さく(短く)なる場合もあります。

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地上デジタル放送の対策工事は事前対応が望ましく、障害発生後の対応になるとテレビが見られない時期が発生し、近隣とのトラブルになることも多々あります。 そのためにも事前調査を行い、障害範囲を確認することが重要です。早めの、事前調査をお勧めいたします。

事前調査工程

写真 @ヒアリング
建築図面や仕様書を基に打合わせします。(案内図・配置図・平面図・立面図・断面図)
新規建造物の所在地や、高さ等の規模を確認します。

目的により、机上検討・事前調査のどちらが必要か、ヒアリングを行います。

机上検討は、障害範囲を示した図ではなく、調査範囲を示した図です。
事前調査は、現地調査を行い、テレビ電波障害予測範囲を確定します。

・自治体に提出する、建築確認申請に、報告書が必要な場合、
自治体毎に要求内容が異なるため、仕様書に応じ、机上検討・事前調査の提案を致します。

仕様書の内容により、事前調査時に、技術審査が必要な場合があります。
事前調査の技術審査では、(一社)日本CATV技術協会に、弊社で作成した調査報告書を提出し、
調査要領書に則った報告書であるか、正確に審査する作業を行います。

・新規建造物が、近隣住民に対し、どの程度の影響を及ぼすか調べたい場合、
新規建造物の障害範囲を調べるため、事前調査を提案致します。

机上検討・事前調査は、有資格者(CATV総合監理技術者等)が作成します。

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写真 A机上検討図作成
・資料を基に、建築予定地の正確な位置や、敷地・建造物を確認する。

・当該地域の、地上デジタル放送局を確認する。
(地上デジタル放送局は、地域毎に視聴している放送局が違います。)

・建築予定地の緯度経度を確認し、テレビ電波障害が、どの方向に発生するか確認する。

・新規建造物の形状・高さ・建物幅を割り出し、障害予測計算ソフトにて計算を行う。
障害予測計算ソフトは「ビルエキスパート」を使用します。
「ビルエキスパート」は(一社)日本CATV技術協会が監修している計算ソフトであり、
有資格者(CATV総合監理技術者等)が、障害計算を行います。
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写真 B現地調査
経験豊富な資格技術者が路上調査及び実態調査を行います。
測定データを取る為の調査地点は、
日本CATV技術協会の認定資格をもった、有資格者(CATV総合監理技術者等)が決定致します。

通常、調査地点の選定は、机上検討範囲内の公道で行いますが、
測定を行う道路事情により、範囲内で測定が出来ない場合、
新規建造物の周辺道路にて測定を行う事になります。
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B-1 受信特性測定器(スペクトラムアナライザ)による測定内容
(1)端子電圧:dB(μV)の測定
(2)等価CN比:Carrier(キャリア:信号)とNoise(ノイズ:雑音)の比の測定
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B-2 測定器(デジタルレベルチェッカー)による測定内容
(1)BER:ビット誤り率の測定
(2)画像評価:○、△、×の3段階で表示。
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B-3 調査画像の写真撮影
調査地点毎に、受信中のテレビ画像を撮影します。
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B-4 測定風景の写真撮影
調査地点毎に、電波測定車の風景写真を撮影します。
現地調査は、電波測定車(特殊車両)にて行います。

電波測定車のアンテナ高は最高10mになります。
アンテナ高10mは、調査要領に基づいた高さになります。
(一般的な戸建て住宅の、平均的なアンテナ高が10mの為)
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B-5 机上検討範囲の目視確認
現地調査の際には、机上検討図で示された範囲内を目視で確認し、
建物の階高・アンテナの有無・CATV引込宅を確認しています。
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写真 C再予測・補正計算
現地調査のデータを基に障害範囲を確定します。
測定後の、受信特性測定器のデータを精査し、受信状況調査結果表を作成します。

精査したデータを、計算ソフトに入力し、障害範囲を算出します。
障害範囲の算出には、端子電圧・等価CN比・BERを使用します。
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写真 D予測範囲図作成
CADを使用して作成しますので、正確・きれいな予測範囲図を作成します。
(机上検討図ではありません。)

障害計算ソフトにて算出されたデータを基に、障害範囲を予測範囲図に記載します。
建物の階高・アンテナの有無・CATV引込宅を記載します。
障害範囲内に、アンテナ受信宅が何件あるのか等も記載します。
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写真 E報告書作成
(一社)日本CATV技術協会の指定書式で作ります。
全国標準仕様の調査要領書にしたがって作成しています。

報告書の書式内容
・表紙
・建築物件概要
・受信状況調査結果表
・テレビ受信障害予測地域図
・調査風景写真

※中高層建築確認申請の自治体では、テレビ電波受信障害で周辺住民とのトラブルを避けるために、
「テレビ電波受信障害調査報告書」の提出を義務付けています。


着工前にテレビ電波受信障害が、どの範囲まで影響するのか予測し、
現地のテレビ電波受信状況を調査した「報告書」は、
建築確認申請時や、周辺住民とのトラブルの防止の重要な資料となります。
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写真 F電波障害対策工事の検討
アンテナ対策、共同受信対策、CATV対策等を検討します。

テレビ電波障害が発生した際、テレビ受信障害予測地域図を使用し、障害宅のアンテナ位置等を確認します。
障害宅の状況により、対策工事の方法が異なりますが、一般的にはケーブルテレビ対策になります。

ケーブルテレビ対策以外では、障害範囲の外側に、アンテナを移設する対策になります。
(アンテナ受信宅が障害範囲の内側に完全に入っている場合、アンテナを移設する事は出来ません)


各自治体により、調査方法や「テレビ電波受信調査報告書」に求められる内容が異なります。
「机上検討」のみでよい自治体や、「現地調査」まで、「対策工事」の確約書、「事後調査」(建築物が完成した後の電波調査)まで必要な自治体など様ざまになります。
詳しくは、各自治体の建築指導担当課等に確認が必要になります。